国立文楽劇場「
夏休み文楽特別公演」は初日から一週間たち、多くの文楽ファンたちで賑わっております。
第2部の演目『
妹背山婦女庭訓』にちなんで、劇場ロビーに「
しるしの杉玉」が飾られています。
物語の舞台の三輪にある、大神(おおみわ)神社から授与されたものだそうです。
『
妹背山婦女庭訓』は、大化の改新の頃を舞台にした時代劇ですが、神話や伝説も様々フューチャリングされているファンタジックなお話。
今回上演されているお三輪の物語は、「
三輪山伝説」もベースにしています。
三輪山伝説とは…
三輪地方に住むお姫さまは、毎晩通ってくる男性と仲良くなりました。素性がよくわからないことを怪しんだお姫さまの両親は、ある作戦を考えました。男性の衣服に苧環の糸をつけて、住処を探るというものです。
(苧環(おだまき)とは、つむいだ麻糸をくるくる巻いて、中空の玉状にしたものです)
そしたらなんと、男性の正体は蛇神である三輪山の神様だったのです~!というお話です。
中盤の舞踊「
道行恋苧環」に、「苧環の糸を好きな人の衣服につけて後を追う」シーンがありますが、この神話がモチーフとなっています。
・・・
それにしてもこの『
妹背山婦女庭訓』、なかなか時代背景などが複雑、人物関係も複雑…
しかも今回上演されている場面は、『
妹背山婦女庭訓』全五段中四段目と後半。これまでに三段分の物語があったわけです。
でもご安心を!
イヤホンガイドではこれまでのあらすじや、物語の全体的な流れも解説するので、話の展開がわかりやすい!
時代背景も、史実のお話と、この物語の創作の部分と、伝説や神話をもとにしている場面と、作品の作られた江戸時代の風俗と…と大変入り組んでいますが、そういったところにも適宜、説明が入ります。
開演前や休憩中の放送を聴けば、もっとよくわかりますので、イヤホンガイドはお早目に借りて、ゆっくり説明をお聴きになるのをおススメします☆
(くまどりん@大神神社の苧環杉)
この夏は『妹背山婦女庭訓』+イヤホンガイドで、古代ロマンに心を馳せてみてはいかがでしょうか♪