博多座六月大歌舞伎、夜の部最後の演目は『義経千本桜』川連法眼館の場、通称「四の切」です。
狐の親を思う情愛しみるストーリーに加え、アクロバティックな動きやリズミカルな立ち回り、そして宙乗りまで楽しめる盛りだくさんな一幕ですね。
この場面の舞台は奈良県にある吉野山。
さすがに博多座からはちょっと遠いですので、今回は源平合戦の舞台となった関門海峡周辺をご案内します!
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関門海峡は、源平最後の合戦「壇ノ浦の戦い」の舞台です。
関門橋から少し北上した、壇ノ浦を見渡せる場所に、「みもすそ川公園」があります。
そこに置かれているのは…
源義経と平知盛の銅像です。かっこいいですね。
あら、この知盛のポーズは
『義経千本桜』大物浦の場の最後、碇を担いで海に飛び込むシーンの知盛ではありませんか!
ちょうど今年の2月に、博多座で「渡海屋・大物浦の場」の上演がありましたね。
一応説明しておきますと、『義経千本桜』で知盛が碇を担いで入水したのは「大物浦」、現在の兵庫県尼崎市にあります。
一般的な『平家物語』では、壇ノ浦の合戦の際、知盛は鎧を2つ重ねて着て、海に飛び込んだと書かれていますから、この銅像は『千本桜』での知盛のイメージと解釈してよさそうです。
ただ、一部の『平家物語』の写本には、知盛が碇を担いで海に飛び込んだという記述があり、伝承して残っていたようです。それが謡曲の『碇潜』に取り上げられ、『千本桜』での演出につながったと考えられています。
ちなみに義経の方は、八艘飛びをモデルにしているようです。
銅像のふもとには、大河ドラマ『義経』出演者の手形もありましたよ。
安徳天皇も「大物浦の場」に登場していました。
こちらの歌、お芝居の中では安徳天皇が詠んでいましたね。
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その安徳天皇ゆかりの神社が「赤間神宮」。
みもすそ川公園から歩いて10分ほどで、竜宮城のような建物が見えてきます。
安徳天皇をおまつりする神社です。
大きな絵馬は干支にちなんだ絵が描かれています。
境内内には、安徳天皇陵や平氏一門のお墓、耳なし芳一のお堂などがあります。
宝物殿には安徳天皇の像、平氏の人々の肖像画、源平合戦の屏風、長門本という写本の『平家物語』など、貴重な文化財がたくさんあり、歴史好きの方は必見ですよ!
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最後は下関市の水族館「海響館」。
あれ、水族館?と思われるかもしれませんが、こちらにも源平合戦ゆかりの展示が。
こちらの海藻、「アントクメ」といい、入水した安徳天皇の着物のひらひらを思い起こさせることから名づけられたそうです。
この展示は期間限定だそうなので、気になる方は今すぐ見に行きましょう!
有名な平家蟹も、展示コーナーがありますよ。
海響館には、イルカやスナメリなど、可愛い海の動物がいっぱい。
このアザラシくんも芸達者です。
名前はなんと、タケルくん!
昼の部で上演中の『ヤマトタケル』と一緒ですね~
ということで、今月博多座上演演目ゆかりの下関でした!
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下関へは、博多から電車と連絡船で1時間半~2時間程度。
対岸の門司港も見どころがたくさん、関門海峡は歩いても渡れますよ。
武蔵・小次郎決闘の巌流島も、下関から船で回れます。
博多から一足伸ばして、ぜひ遊びにいらしてください!
各所へのアクセス:
みもすそ川公園はこちら
赤間神宮へはこちら
海響館へはこちら
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