4月の国立文楽劇場は『菅原伝授手習鑑』の通し上演。
住大夫さんの引退公演でもある本公演、連日満員に近い賑わいを見せています。
ところで、『菅原伝授手習鑑』といえば、菅原道真。
大阪には菅原道真ゆかりのスポットがたくさん!
今回はその中から、守口市にある「佐太天神宮」をご紹介します。
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『菅原伝授手習鑑』三段目の舞台・佐太村は、現在の大阪府北部。
ちょうど守口市と寝屋川市の境目のあたりにあるのが「佐太天神宮」。
このあたりは菅原道真の領地のあったところで、舞台では、道真の家臣・白太夫住処のある場所になっています。
菅原道真が大宰府に向かう際、領地であるこの佐太の地にしばらく滞在し、自身の木像と自画像を残しました。
(ここに留まって”沙汰を待った”ので、「さた」という地名になったとか)
道真が亡くなって50年ほどたった903年(延喜3年)、里の人たちによって道真の残した木像を祀ったのがこの天神宮のはじまりだそうです。
境内には、道真が自身の姿を映して自画像を描いたという「水鏡の池」や、天神さまにおなじみの牛の像、梅の木などがあります。
こちらは宮司さんからいただいた、江戸時代の「天神様すごろく」のコピー。
全国の有名な天神様や、道真ゆかりの場所25箇所がすごろく形式で紹介されているのですが、その中にこの「佐太天神宮」が載っています。
今でこそこじんまりとしたお宮ですが、江戸時代には、すぐ近くを流れる淀川から多くの参拝客が乗り降りし、三大天神とも言われていたそうですよ。
☆ここに注目!文楽スポット☆
境内にはなんと「白太夫社」が。
その名のとおり、梅王丸・松王丸・桜丸のお父さんである、白太夫を祭ったお社です。
お社の建立は1765年(明和2年)とのことですから、『菅原伝授手習鑑』(1746年初演)が大ヒットしてからのよう。
作品の登場人物が神社に祀られるなんて、この演目がいかに人気だったかがよくわかりますね!
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「佐太天神宮」は、地下鉄谷町線の大日駅または、京阪電鉄の寝屋川市駅からバスが便利です。
(「佐太天神」バス停下車)
大阪にいらっしゃったら、ぜひ足をお運びいただき、『菅原伝授手習鑑』の世界を満喫してくださいね!
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「佐太天神宮」については、イヤホンガイドの解説内でも触れています。
複雑な時代背景、人物関係も、イヤホンガイドでよくわかる!
通し狂言『菅原伝授手習鑑』は、ぜひイヤホンをお供にお楽しみください♪
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